共有物分割訴訟による解決
以下のような場合には共有物分割訴訟による解決が可能となることがあります。
- 共有持分を売却したいが他の共有者との交渉が困難である
- 他の共有者の共有持分を買い取りたいが他の共有者との交渉が困難である
共有物分割訴訟とは
共有物分割訴訟とは、裁判所に共有物の分割を求める裁判です。分割を求める場合、以下の3つの方法による分割を求めることができます。
- 土地に新たに線を引いて分けたり、土地上の建物を共有者のうちの誰かの所有者にしたりなど、各人の単独所有として分割をする方法
- 一方の共有者が他の共有者に金銭を支払うことにより分割をする方法
- 競売により不動産を売却した上で売却により得たお金を分割する方法
土地に新たに線を引くなどの方法
共有者各人が、それぞれ土地を単独で一部取得するような方法です。
現物分割と呼ばれている方法です。不動産がある程度以上の大きさがある場合、金銭による解決は難しいような場合に行われる分割方法です。
例えば、300平方メートルの土地を兄弟が2分の1の割合で共有している場合に150平方メートルの土地に分けた上で兄弟がそれぞれ単独で150平方メートルの土地を所有するという解決方法です。
金銭を支払う方法
一方の共有者が他の共有者に金銭を支払う方法により分割をする方法です。
例えば、300平方メートルの土地を兄弟が2分の1の割合で共有している場合に150平方メートル分の土地の値段を兄が弟に渡すことにより、兄が300平方メートルの土地を単独所有するという解決方法です。
競売による方法
不動産を競売により売却をした上で、売却により得たお金を分割する方法です。
例えば、300平方メートルの土地を兄弟が2分の1の割合で共有している場合に、競売により不動産を売却し、売却代金1,000万円を500万円ずつ分けるという解決方法です。
共有物分割訴訟のメリット
共有物分割訴訟のメリットは以下の2点です。
- 共有の問題を裁判手続きにより最終的には強制的に解決できます。
- 法外な要求をしてくる他の共有者の要求を退けることができます。
まとめ
- 共有持分を売却したいが他の共有者との交渉が困難である場合、共有物分割訴訟を起こすことにより問題の最終的な解決ができます。
- 他の共有者の共有持分を買い取りたいが他の共有者との交渉が困難である場合、共有物分割訴訟を起こすことにより問題の最終的な解決ができます。
- 共有物分割訴訟により、法外な要求をしてくる他の共有者の要求を退けることができます。